やわらかいパタンランゲージ

Christopher Alexander クリストファー・アレグザンダー

1936年 ウィーンに生まれる
1956年 英国ケンブリツジ大学MA(数学)修了
1958年 同大学BA(建築)修了
1963年 米国ハーバード大学PhD(建築)修了

「都市はツリーではない」「形の合成に関するノート」などの話題を呼んだ論文著作を発表し、建築理論家としてまず、名を馳せた。彼の理論が、現在のコンピューターによる設計プログラム(CAD)発展の基礎となった。以降、米国カリフォニア大学バークレー校環境デザイン学部建築学科で教鞭をとり、現在同校の名誉終身教授である。

また、1967年に、NPOである「環境構造センター」を設立し、その所長として、建築、まちづくりの設計、施工など数々の事業を世界各国(米国、日本、オーストリア、インド、ペルー、メキシコ)で手がけ、一躍、「現代建築を乗り越える実践、理論の旗手」として脚光を浴びる。

1977年には、それまでの研究成果をまとめた著書「パタンランゲージ」(鹿島出版会)を著し、全く新たな建築理論を提出、建築パラダイムの再構築を図る。それに続く2著作「オレゴン大学の実験」、「時を超えた建設の道」(ともに、鹿島出版会)によって、現在まちづくりに欠かすことの出来ないユーザー参加によるまちづくりの理論的基礎を明解にした。

特に着目すべき点は、彼の代表的作品の2つ、1984年埼玉県の盈進学園東野高校、1988年文京区のメゾン・デ・ロウランと名付けられた賃貸マンションは、日本にあるということである。これらは、彼の主張する「名づけえぬ質」の実現された建築物として、高い評価を受ける。

米国建築学会研究者功労賞初受賞者、英国プリンスオブウエールス建築学校創始者理事メンバー、彼の論文、スケッチ、エッセイは、建築ジャーナリズムを賑わせている。

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